1. HOME
  2. 達人にときめき
  3. 野菜・果物・きのこ
  4. 豊栄桃太郎トマト

INTERVIEW

達人にときめき

野菜・果物・きのこ

豊栄桃太郎トマト

「トマトを育て始めて32年。先輩たちが、種まきの仕方から教えてくれたことを思い出します」。そう話すのは、『豊栄桃太郎トマト』の生産者で、新井郷(にいごう)ハウス園芸組合の本田敏明さん。新潟市豊栄地区は、砂丘園芸地帯で水はけがよく、春の日照量や寒暖差にも恵まれた、トマトの名産地です。

「水をたくさん与えて、収量を多くする“水ぶくれトマト”もありますが、私たちの組合では、大きさより、味にこだわっています。『桃太郎』のなかでも、さらに糖度と酸味のバランスがいい品種を、とくに選んでいます」と本田さん。「組合であることのよさは?」と訊くと、「チームワーク」とキッパリ即答。
「6軒の生産者で構成していますが、苗を育てる段階から、みんなでハウスを見て回り、問題点などを共有します。病気に負けない強い根にするための苗の接ぎ木作業も、助け合ってやります。わずか1~2ミリの大きさでしかない病害虫が、致命的な病気を蔓延させることもあるので、ハウス内の湿気対策も大切ですね」

おいしく育ったトマトも、完熟しすぎると香りや酸味が抜け、味が落ちてしまいます。ベストな状態を見極め、収穫のタイミングを逃さないことも大切。そうしたトマトへの真摯な想いは、若い生産者の糧にもなっています。
「目の前にある、当たり前のことからクリアしていく。失敗したら、その経験を来年にいかす。その経験を重ねている段階で、まだまだ勉強中です」(新井郷ハウス園芸組合の組合長・橋本充さん)

「俺たちがやらずに、誰がやるんだ。父や先輩の背中を見ていると、そうした気持ちが自然と芽生えてきます。新しい品種にも、どんどん挑戦していきたいです」(本田さんの長男で生産者の直樹さん)

橋本さんと直樹さんは、ともに20代。新井郷ハウス園芸組合を背負っていく2人の言葉に、本田さんたち先輩は組合の未来に大きな期待を寄せています。
「私たちの世代が踏ん張れば、若い世代がノウハウを吸収し、想いをつないでいってくれる。それがおいしさとなり、産地への信頼となり、生産者の誇りになる。それぞれのやり方を信じて、トマト作りに向き合っていってほしいですね」

達人にときめき