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INTERVIEW

達人にときめき

親父の仕事は、俺の誇りです。
惣菜

レンジで雪室コロッケ

「社長である父は、もともと畜産農家でした。とても研究熱心でアイデア豊富な人で、有機質の飼料を自分で作り、自分でウインナーを作ったりしてました。でも、寝る間も惜しんで育てた豚肉で作ったそんなウインナーも実際、市場に出てみれば平気で買いたたかれるわけです。容赦ない。そんな親父を子ども心に“なんでこんな報われないことやってんだ”って冷ややかに見てました」

現在、専務として現場を仕切る責任者である桒原一成さんは、そんな父の背中を見て育ったといいます。

揚げる前のコロッケ

「でもある日、うちに遊びに来た友人たちがそのウインナーを食べることがあって。“なにこれ!おいしい!”って口々に言ったんです。それまで親父のウインナーに興味のなかった自分は“え?”と」

「そのときです。親父の仕事を誇りに思い、自分も継ぎたい!って思うきっかけになったのは」と桒原さん。魚沼の風土を生かした雪むろで熟成させた新潟県産じゃがいもと『ときめき旨米豚』を使ったコロッケをはじめ、基本は全部自分でレシピを考えるといいます。「でも社員からは“専務ぅ、こだわり過ぎるとうち倒産しちゃうんで、ほどほどにしてください!”ってよく怒られてます」と笑う桒原さんですが、こだわりは変わりません。

「ちゃんとこだわればうまいものは作れる。そしてそれは誰かが必ずわかってくれる――それが親父に教わったことなんで」

調理中のコロッケ