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INTERVIEW

達人にときめき

田んぼは、生きもの。

ときめき産直米

会社員の家に育った藤田重実さんは、農業はまったくの門外漢でした。「でもどうしてもうまい米を作りたくて、20年前に門を叩いたんです。自分で自分を切り開く仕事がしたかった」と藤田さん。新潟の平野を覆いつくす一面の田んぼを四季折々に眺め、用水路のザリガニ釣りに熱中し、蛍の舞いに心奪われた子ども時代。「それが自分の原風景。農家になる決心は揺るがなかったですね」。

そんな藤田さんを誰よりも買ってるのが、新潟有機米生産組合の構成メンバーである有限会社エーエフカガヤキの社長、立川幸一さんです。「彼は有能な後継者のひとり。土と水の見極めは誰にも負けない。暇さえあれば田んぼにいる。うちは研修生として全国の大学やJAグループから若者を受け入れているけど、藤田は彼らにとって憧れの先輩なんだ」と立川さん。

立川幸一さん

「うちの田んぼには阿賀野川を下って流れ込む雪解け水がたっぷり。それが一番の強み」と藤田さん。落ち葉や土から染み出た養分がたっぷり含まれた雪解け水が、肥沃な土と相まって独特のうまみを醸す米を育んでいきます。その絶妙なバランスを生み出すのも、藤田さんたちがその水量を、毎日天気や稲の育ち具合を見ながら少しずつ変えながら、弱い茎を守ったり、田んぼ全体の温度管理を微妙に調整し、できる限り農薬を減らす努力(一般と比べて農薬を82%削減。農薬使用は通常17~19回のところ、たった3回)を重ねているからこそです。

「ずっとやってるとね、言葉にはしにくいけど自分なりに“あ、そっか”って瞬間があるんですよ」と藤田さん。「それが農業の醍醐味だし、快感。田んぼっていう生きものに、自分自身生かされるなあ、って思うんです」

稲穂のチェックをする藤田 重実さん